お茶の知識

メチル化カテキン

“やぶきた”は栽培面積の約76%を占める代表的な緑茶品種ですが、実は、日本で登録されている緑茶品種は約100種あります。その中でも『べにふうき』という品種が最近注目されるようになってきています。
『べにふうき』は、紅茶や半発酵茶用に改良された品種で、紅茶に加工すると濃い水色と高い香りもつといった特長があります。この『べにふうき』は、メチル化カテキンを多く含み、花粉やハウスダストによるアレルギー症状を抑えるはたらきがあるとして注目されているのです。
このメチル化カテキンの機能性については、農林水産省の研究機関である農研機構の山本万里先生や、九州大学の立花宏文先生が精力的に研究しています。
これらの先生の研究成果を科学的根拠として、『べにふうき』を加工した飲料や緑茶ティーバッグが機能性表示食品として市場に出はじめています。

(図1)メチル化カテキンの構造式
図1.メチル化カテキンの構造式


(図2)品種毎のメチル化カテキン(EGCg3”Me)含量
図2.品種毎のメチル化カテキン(EGCg3”Me)含量
日本食品科学工学会誌 48; 1: 64-68データより引用・改変・作表

しかし、紅茶に適した『べにふうき』ですが、紅茶に加工すると発酵段階の酸化によりメチル化カテキンは失われてしまいます。
目や鼻のムズムズに悩まされる季節には『べにふうき』を緑茶として飲むことで、すっきりした日常を過ごすことが期待できます。