お茶の知識

お茶の成分

健康長寿の静岡県は、お茶の消費量も日本一。ここでは、お茶に含まれる様々な健康成分についてご紹介します。

図1.お茶の主な成分(乾燥茶葉の場合)
図1.お茶の主な成分(乾燥茶葉の場合)


1.カテキン類(苦み・渋み成分)
「タンニン」とも呼ばれる苦み・渋み成分で、抗酸化作用やコレステロール低下作用、血糖値上昇抑制作用、抗がん作用など様々な健康機能が報告されています(「お茶の健康パワー」参照)。緑茶中には8種類のカテキン類が存在し、ガレート基の結合した「エステル型カテキン」とガレート基を持たない「遊離型カテキン」に分けることができます(図2)。特に、エピガロカテキンガレート(EGCg)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)、エピカテキン(EC)の4種類が主要カテキン類として多く含まれています。

図2.お茶に含まれるカテキン類
図2.お茶に含まれるカテキン類

カテキン類は緑茶に多く、ウーロン茶、紅茶の順に減少します。その理由は、発酵工程において茶葉中の酸化酵素によりカテキン同士が結合し、テアフラビン類やテアルビジン類という別の物質に変化するからです(「お茶の健康パワー:抗酸化作用(2)」参照)。テアフラビン類やテアルビジン類は、紅茶の赤色色素としても知られています。

2.カフェイン(苦み成分)
コーヒーなどで知られる苦み成分で、利尿作用や眠気を覚ます作用などがあります。お茶の栽培時に覆いをする玉露や抹茶には、煎茶に比べ0.5~1%程度多くのカフェインが含まれています。また、カフェインは熱湯に溶けやすく冷水に溶け出しにくいのが特徴です。

3.テアニン(旨み・甘み成分)
遊離アミノ酸の一種で、お茶独特の旨みや甘みを引き出す成分です。チャの古い学名「Thea sinensis」にちなんでTheanine(テアニン)と命名され、リラックス効果や血圧上昇抑制、脳機能や不眠などに対する効果も期待されています。
お茶の栽培時に光を遮ったり窒素質肥料を加えることで増え、抹茶や玉露などの高級な緑茶に多く含まれています。

4.ビタミン・ミネラル
お茶には、健康に欠かせないビタミン・ミネラル類が豊富に含まれています。

図3.お茶に含まれるビタミン・ミネラル類
図3.お茶に含まれるビタミン・ミネラル類

5.食物繊維
お茶には水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」が含まれています。整腸作用やコレステロール吸収抑制作用、血糖値上昇抑制作用などがあります。

6.その他の成分
・クロロフィル:コレステロール低下作用、貧血予防
・サポニン:去痰作用、溶血作用、抗炎症作用、抗菌・抗ウイルス作用
・γアミノ酪酸(GABA):血圧・血糖値・コレステロールの低下作用、脳細胞の活性化
・タンパク質:三大栄養素の一つ。筋肉や内臓の構成成分。

皆さんもお茶を飲んで、元気な毎日を送りましょう。